第1章 骨董屋

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 鞍や手綱は店主が言ってた人が快く引き受けてくれた。 ファムの採寸をしたいというので、呼んで降りてきてもらった。 採寸している間に、来客以外にも人々が集まり、またちょっとした騒ぎになった。  店主が言っていた通り本当に器用な人で、採寸後またたく間に作ってくれた。  ファムが痛くないよう、鞍の下側に柔らかな布ををつけ、 革製の手綱はいかにも頑丈そうなしっかりとした作りだった。  徐々に改良していくとしても、最初のものとしては十分なできだった。  礼を言うと、 「いや、こっちこそ礼を言いたいぐらいだ、浮遊魚の鞍を作ったとこれから自慢できるからね」  と、豪快に笑ってくれた。  試しにつけてみたらどうかと言われたけど、ファムを呼んでまた騒ぎになると困るので 丁重に断った。
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