第1章 骨董屋

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 徐々に高度を上げながらホルツ村へ向かって飛んでいく。 まだ冷たい風が当たって寒いことを除けば、ファムでの飛行は最高に爽快だった。 「そういえばおまえ、飯とか大丈夫なのか?」  浮遊魚がクレーフェンの谷にしかいないのは餌のせいではないかと ブルーニ博士は考えていた。 なのでそこが心配だった。  ファムは目だけちょっと動かしてこっちを見てから、平気とばかりに胸ビレを動かした。 「大丈夫ならいいけど、ホントにちゃんと食ってんだよね?」  うんうんと体を動かした。  そもそも浮遊魚たちがなにを食べているのかさえわからない。 子供のファムですらすでに2メートルを超えている。 この巨体を維持するのは相当のエネルギーが必要だろうに、 別にずっと食べているわけでもない。 むしろなにかを食べている姿さえ目撃されてないから、 高エネルギーな食べ物を短時間で取っているのだろう。 けどその高エネルギーな餌がなんなのか、 ブルーニ博士は谷の周辺をくまなく調べ回ったのにわからなかったそうだ。 「おまえ、なに食ってんの?」  ファムはちらりとこっちを見て、すぐに視線を戻した。  まぁ、答えを期待してたわけじゃないし、当然の反応だろう。
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