第1章 骨董屋

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店主は店の前に椅子を出し、日向ぼっこをしていた。 「こんにちは、お久しぶりです」  店主はじーっとおれを見返して考えてから、 「おぉ、浮遊魚のウロコを買ってったお客さんか!」  と、椅子から立ち上がった。 「久しぶりだね、どうしてた? 浮遊魚は捕まったかね?」 「いえ、捕まえてはいません」 「そうか、残念だったね」  うんうんと店主はうなずいてから、 「まぁ、あんな大きな魚簡単に捕まるわけはないから仕方がないよ」  と、肩を叩いて慰めてくれた。 「ああ、いえ、捕まえてはないんですがいます、見ますか?」 「いる?」 「ええ」  店主とは捕まえたら見せるという約束をしている。
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