第1章 骨董屋

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「あの……もういいですか?」  浮遊魚がいると振れ回りにいった人が何人かいて、続々と人が集まり、 これ以上いると危険なことになりそうだった。 「ああ、そうだね、残念だが」  店主も状況を察してくれた。 「ありがと、ファム、好きにしていいよ」  ファムはパカリと口を開けて笑い、のんびりどこかへ飛んでいった。 「会わせてくれてありがとう! 色々話も聞きたいし、お礼に夕食に招待したいんだが、 どうかね? 今日はこの町に泊まるんだろう?」 「ええ、病院にも行かないといけないので、そうするつもりです」  ブルーニ博士から、骨がちゃんとつながっているか病院で診てもらうよう、 口がすっぱくなるぐらい言われていた。 「宿はもう決めたのかね」 「いえ、まだです」 「だったらうちに泊まるといい」 「え? いいんですか?」  診察代とか余計な出費があるから抑えられるところは抑えておきたい。 「もちろんだよ、たいしたもてなしはできないがね」 「ありがとうございます、お世話になります」
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