第1章 骨董屋

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「ありがと、それと安全性も考えて鞍とか手綱っぽいのを付けてほしいんだ、それはどう?」  さすがに鞍と手綱はわからないらしく、首をひねった。 「そっか、わかんないよな……どうすっかなぁ」  まずファムに鞍と手綱を理解してもらわないといけない。 「ちょっと待ってて」  大通りまで出て、馬をつないで休憩をしている行商人を見つけ声をかけた。 「すみません、ほんの3分でいいので馬をお借りしたいんですが」 「3分?」 「ええ、本当にすぐに返すのでお願いします!」 「ああ、まぁ、ちょっとでいいなら」 「ありがとうございます!」  綱をほどいて渡してくれたので、馬を連れ走ってファムの所まで戻った。  馬は自分より大きな魚にびっくりして二の足を踏んだが、 なだめすかしてそばまで連れていった。 「ファム、これが鞍、これが鐙、これが手綱、わかる?」  ファムはまじめに説明を聞いている。 「乗ってる間だけでも良いからこんな感じのヤツをつけてもらいたいんだ」  ファムは尾ビレを揺らして考え込んでいる。
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