第1章 骨董屋

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 その晩は店主の知り合いがこぞってやって来たらしく、 何十人もの老若男女が集まっての夕食となった。  たいして話すことなんてないのに、みんなファムや浮遊魚たちの話を聞きたがった。 仕方なく、なるべく面白そうな部分を選んで話して聞かせた。  捕獲作戦のくだりを子供たちはキラキラした目で聞いていた。 自分の馬鹿さ加減を披露してるようなもんなので、 そんな純粋な目で見られると罪悪感に苛まれる。  とはいえ皆が望んでいるのは冒険譚だから、面白おかしく話すしかない。 矛盾してる、と思わずにはいられなかった。
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