Act:0「未来からの回送-Futuer's back-」

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どこまでも続く砂漠がそこにあった。 それは時折、砂の嵐を作りだし、行く者達の視界を遮る壁となり、音を轟かせながら迫っては消え、は、迫っては消えを繰り返していた。 ふと、砂漠の砂の中、鈍く光る一本のレールがそこに牽(ひ)かれていた。 黒光りし、一片の曇りも、汚れもない。 それは、前にも後ろにも、ただ永遠と伸び、それより先は砂によって覆い隠されていて、伺うことは出来ない。 ――その時である。 ――ただひとつの轟音。 先ほどまで暴れていた砂の嵐を巻き上げ、蹴散らしながら、その物体はどんどん近づいてくる。 ――そして。 その物体が通り過ぎる直前、ただ真っ直ぐ延びていたレールの一部が突如切れ、左へと湾曲し、その先に新たなレールが忽然と付け足される。 「このままだと――」 ――どこからともなく響く、渋く低い男の声が聞こえた。 「――未来が危ないですねぇ」 ――レールの上を、赤と白のコントラストに身を染めた列車が、目の前を左へと曲がり、通り過ぎていった。 ――Act:0...END...
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