1▽5つの寮

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そして、この学園は中高一貫である。もちろん寮も中等部から分かれることになる。 中等部入学初日に個人の能力に合った『加護』を授け、より強力な力を扱えるようになるのだ。 それから寮選択になる。 「……と、まあ中等部でもした説明をした訳だが、よく分かってはいると思う。 高等部になって俺がこれから3年間お前達の担任を務める〈湯崎 充〉だ。 ここは自由と創造 の【ルーズムブル寮】。 よって自由人ばかりの巣窟だと身構えてはいたが…………….、 2ヶ月もなって一度も教室に来ない奴が居るとは思わなかったなぁ、先生。 地味に心に傷がつくんだよなぁ…」 「そして2ヶ月も同じ事を言うの繰り返す先生も先生ですけど…」 茶髪の結構顔のいい教師、湯崎が項垂れていると、先頭の席の爽やか風の青年が苦笑いする。 「ん~…というか流石に自由と言っても学校だからな…出席日数というのが足らないとちょっと困るんだよねぇ…。 よしっ。小林。お前迎えに行ってこい。」 「えっ!?俺!?」 「お前学級委員だろ?ぴったりじゃないか。また詳しい話は昼休憩の時するから俺の準備室まで来い。」 「え~……」 この時クラスメイト全員は思った。 (また先生の無茶ぶりが始まった…) それからチャイムが鳴り、先生はご機嫌で教室を出て行った。 「風太、ドンマイだね。」 「…千鶴…」 ニコニコとしながらやってきたのは幼馴染みの浅井 千鶴。偶然にも同じ異能とういう力が宿りこの学園にやってきたのだ。 「まだ来ないのってあの端っこの席の…なんだっけ?えーと、く…く…」 「紅劉 葵(くりゅう あおい)だよ。2ヶ月も来ないって…本当にいるのか?」 「そう!紅劉君!謎だよね~。でもいろんな噂は聞くけど?」 「噂?」 「うん。このルーズムブル寮で最弱…ワーストランクだとか、遊び人とか、ブサイクとか、あと生徒会の誰かの愛人だとか。」 「ひどい噂だな」 本当にそんな噂の人物なのか…不安でしかない小林はどんどん気が重くなっていった。 .
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