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黒と青で調色された部屋にライトベージュの髪をして、整った顔の男が机に並べられた資料を、椅子に腰深くまで掛け眺めていた。
コンコン
すると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「……どうぞ。」
「失礼します。…会長、言われていた調査の件なんですが」
「…ルーズムブル寮か?」
「……その可能性が高いかと…。ただ他の寮への立ち入りは規則上禁止されているので、確定はできませんが…」
「………いや、そこは凩が会長。…一番線が濃い。」
「……は。」
「今度の寮対抗戦、俺は、俺達のキングを取り戻す。…その為にはどんな手段も選ばん。」
そう言い放たれた男の眼光は鋭く、目の前の男子生徒を怯ませた。
「…俺から逃げる事は許さないぞ…」
*****
-朝-
《葵~!起きろ~!》
「………るさい…」
朝からポテチのでかい声に起こされる。
あの訓練から4日経った。とくに変わりはなく、あれから普通に授業が流れていく。
「…はぁ……めんどくさい…」
だる、と思うけど、出席日数なんて言われたら大人しく従うしかない。
そして顔を洗う為に洗面台に行く。ゴムバンドを頭につけ顔を洗うと、肩にある噛み跡に目がいった。
あの日あの時、会長につれたれた跡。
マーキングとか言ってたけど
「意味分かんね……」
何がマーキングだ。僕は物じゃない。
僕は僕のモノだ。
どんな勘違いしてるんだあいつ。
「………ムカつく。考えるのヤメ!お腹すいた…さっさと食べよ。」
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