39人が本棚に入れています
本棚に追加
□□□□□
PM1:00
「リーダー。紅劉君がまだ来ません。」
「………そうみたいだね。ちゃんと1時集合って言ったのに…」
「誰か電話したら?」
「紅劉の携帯なんぞ知らん。」
「え、と……生徒手帳のタブレット…でなら、連絡できる、んじゃないかな…?」
「あ。」と小林が思い出したように呟き、すぐにポケットから手乗りサイズのタブレットを取り出し、クラス名簿から葵を探して選択する。
「…でるかな、紅劉」
ピロピロピロ…p
『…はい』
「あ、紅劉今どこ?!」
『……え。んー…………さあ?』
「さあ!?1時集合だって言ったよね!?」
『聞いてたってば…。ちょっと寝坊していま向かってる。』
(寝坊…!?朝からずっと教室で寝てたのに!?)
かなりの衝撃を受ける小林だった。そして、この場にいた全員が、葵がどれ程ルーズなのかを思い知ったのだった。
「ぼ、僕迎えに行くよ!」
『いい。もう着く』
浅井の言葉を直ぐに断ち切ってそう言った葵。
そして、その言葉通り葵の姿が見えた。
「紅劉、遊びじゃないんだぞ!しっかりしろ!どこか調子でも悪いのか?」
「至って健康だから気にしなくていい」
《やかましいな!この脳筋!》
「何?このぬいぐるみ風情が。」
《どうもとてつもなくプリチーなぬいぐるみのポテチ様だぞ!》
1人とぬいぐるみの幼稚な言い合いが始まったところで、皆んなはスルーして学園島から飛び立つヘリに乗る。
「ポテチ、丈多、うるさい。」
葵の少し苛立った声に2人は一瞬で黙る。
「丈多。やけに素直ね。」
「ライバルの言うことは聞くべきだからな。」
「…………そうね」
何かを言うことを諦めた篠崎。そして窓から遠くを眺めた。
.
最初のコメントを投稿しよう!