1▽5つの寮

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暖かい日差しが入り、とても良い花の香りと辺り一面色取り取りの花が見渡せる空間で、たった一人の静かな寝息が聞こえてくる。 「………すー…」 「……まだ寝てるのかよこいつ」 そう言ってクスッと笑う人物が1人。 「俺の温室な筈なんだけどなぁ…。ま、いっか。可愛いし。」 その人物の制服の襟に付いてるバッジがキラリと光った。 ーーーーーーーーーーーー ーーーーーーー ーーーー 「先生?湯崎先生?小林です。」 「おー!来たな。」 「連れて来てほしいのって紅劉ですか?」 「そうそう。俺も一回しか会った事ないんだけど…」 その言葉に小林はびっくりする。 「会った事あるんですか!?」 「あー…まあ、うん。教室には一回も来てないんだが、高等部の入学式の前日にな。ちょっとワケありなんだよ。 で、その紅劉 葵なんだが、恐らく最上階の花園にいるはずだから。」 「えっ……?ええ!?あそこって会長の専用温室じゃないですか!!無断で入っちゃダメでしょ!?」 「あー、大丈夫大丈夫。俺がちゃんと許可とっといたから。」 「えー……」 それもそれで面倒だ…と思う小林だった。にしても… (会長だけが入れる温室にいるって…一体どういう事なんだ…?) 「あ、あと…紅劉見つけたら驚くかもしれないが、驚くなよ?」 「………たとえごっつい男でもかわいい女の子でも驚いたりしないですよ。」 もう何かに疲れだした小林は準備室を出て行った。目指すのは最上階の花園。誰もが憧れる手の届かない庭園だ。 そこにまさか自分が行く事になるなんて…… もっと気が重くなっていくのだった。 .
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