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「…ふぅん。ま、これがベストだね。僕も丈多と一緒じゃ安眠出来ない。」
「はは…じゃあ荷物置いて行こうか。」
《ぷはあっ!葵!もう出ていいか?!》
「駄目。もう出るからまだカバンの中に居て。」
《ぶー》と言ってポテチは再び葵のリュックの中に入って行った。
浅井は、どうりで居ないと思ったらそこに居たのか…とずっと居なかったポテチの行方が分かって苦笑いを浮かべた。
「ここが依頼人の事務所?」
「でか!」
いま、6人の目の前には大きくそり立つビルがあった。
中に入ると、黒いスーツを着て腕時計を気にしてる男が視界に入る。
「…あ!もしかして君達が学園島の生徒諸君!?」
葵達が入ってきたことに気付いた男は、大声で喋りながらこちらにやってきた。
「そ、そうですけど…貴方は」
「あ、失礼。僕、有栖院 透のマネージャーをしてます、『佐野 洋司』と言います。
待ってましたよ!案内しますね。ついてきて下さい。」
そう言ってニッコリ笑うマネージャー。そしてそのままエレベーターに乗る。
「有栖院の個人ルームは25階にあるので、そこまで直行しますね。
今本人もそこにいるので。」
そう言えば、俳優って言ってるくらいだからテレビに出てるんだろうけど…顔も名前も全然分かんないんだけど…。
と、今更ながらに思う葵。
チン
エレベーターが25階で止まった。葵達はマネージャーについてエレベーターを降りる。
「透ー。皆さん着きましたよー。…あれ、ソファで寝っ転がってるかと思ったのに…ちょっと待って下さいね。」
と、言ってマネージャーは依頼人を探しにどこか行った。
「着いて居ないとは、常識がなってないな。」
「丈多、口チャック。」
「…あれ、もう来たの?」
不意に、知らない声が聞こえ全員そっちに目を向けると、
濡れた髪に、整った顔、高い身長で、上半身裸の腰にタオル巻いた男が居た。
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