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「ひっ…!」
「"ハンドガン"」
篠崎は葱瀬を自分の背の後ろに隠し、そう言うと、手にガジャッとハンドガンが現れ、それを思いっきり今出て来た男に向ける。
「杏にそんな汚いもん見せるんじゃないわよ……!」
「篠崎!?」
「…え、それ本物?」
目を丸くして銃を凝視する男。
「へぇ…それが異能ね…」
「透!」
透とマネージャーの佐野さんに呼ばれた男は仏頂面でそっちを向く。
「……佐野。もう着くならそう言えよ。シャワー浴びちゃったじゃん。」
「言っただろ!すみません、コイツかなりルーズと言うかマイペースで…」
「いえ…!こっちにも同じようなのいるので!分かりますよ、その気持ち…」
「ええ!そうなんですか!?」
謝る佐野さんに小林はヒシッと手を握って、共感の顔をする。それに対し、佐野さんも嬉し驚きのリアクションだ。
が、葵は不機嫌そうに、
「ちょっと小林…それ僕の事言ってる?」
「自覚あるなら偉い。」
「カチン…別に僕は…むぐっ!」
葵が反論しかけたその時、葵の両頬をガシッと掴み、ぐりんと右に向けられ1人の男と視線がぶつかる。
「透…!?」
「紅劉…!?」
そう。今葵は、有栖院に顔を両手で掴まれ無理やり見上げさせられ顔を合わせられてる状態。
「君…僕って言ったけど、男なの?」
「…は?見たまんま男だろ…何言ってんのアンタ…」
「…ふーん……そんな綺麗な顔して男なんだ…」
「離せ…つか、近い……仕方ない。
ポテチ!!」
《俺様の葵にくっつくなー!変態やろう!》
「ふげっ…!」
リュックから勢い良く飛び出したポテチのエックスチョップにモロくらって飛んで行った俳優、有栖院 透。
《フッ。成敗》
「よくやったポテチ。」
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