Exhibitionist

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───…森の深部 和泉 (ここなら安全に過ごせるはずだ… …寒い。秋の風…) 逢瀬 未来[1-B 身体透過+植物対話] 「変態がおる」 和泉 「!? ど…どこ…」 きょろきょろ 未来 「裸族?気が合うねぇ。まぁ私は好きでやってるわけじゃないけど うわぁ、超級。前のド変態読心男とは比べ物にならないな」 和泉 「誰…なんだい…?」 未来 「誰でもいいじゃん ふふーん。露出狂か」 和泉 「ち、違う…これは…」 未来 「おっと、経緯なんて聞かないよ。かったるい ビニール袋、貫通しそうじゃん。フランスの人?」 和泉 「み、見ないでほしい…」 未来 「そんな恰好してりゃイヤでも目が行くわ …そんなデカいと不便だろ」 和泉 「…女の子とこういう話をしていいのか分からないが…不便といえば、不便だね」 未来 「はは、でしょ。そんなんじゃ彼女に逃げられるぞー」 和泉 「…かもしれないな …でも、付き合っていかなくてはね」 未来 「ふーん。嘆いたりはしないんだ」 和泉 「…不便を嘆くのは、性に合わないんだ 工学部卒なんでね…不便に対峙するのが得意なんだよ」 未来 「工学部卒。やっぱ社会人か」 和泉 「…ニートだったけれど」 未来 「へー、みっともな ニートで露出狂とか親が泣くぞ」 和泉 「…あぁ…」 しょぼん 未来 「…ま、落ち込むなよ。これ以上落ちるなんてこたぁないさ 面白い奴だし、良いこと教えてやろっか。もしあんたが露出狂じゃないとしたら、あんたはすぐにでも服を手に入れたいはずだな」 和泉 「も、もちろん…!」 未来 「なら、寮まで隠密に行ける道を教えてやろう。どこ?」 和泉 「420号室…」 未来 「はぁ? …四階にまでは非常階段から誰にもバレず連れてってやるけど、20番ってかなり中央あたりじゃん。そっからは運だぞ?」 和泉 「…ダメ、か…」 未来 「…しゃーないな ん」 ぽい 和泉 「…これは…」 未来 「私のスパッツ。それ履いて戻りゃまだ言い訳出来んだろ」 和泉 「こ、こんな…受け取れない…!」 未来 「大丈夫大丈夫 ま、感謝しろよ」 和泉 「ま、待って…もしもし…! …せめて名だけでも知りたかったが…恩に着る…スパッツも着る…!」
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