桜のひととき

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カフェ・オリエンタリスには、庭があって、桜も咲く。 近くを通ると、きれいなメロディーが聞こえることがある。 『いつか行ってみたい』と、妻と一緒に話していた。 休日の朝、重い瞼を上げると部屋の中は静まり返っていた。 「うーん」 唸るように声を出してベッドの上で身じろぎする。 うす暗い天井をぼんやり見つめていると、段々と意識がはっきりしてくる。 そこでようやく思い出した。 ――今日って、美雪と約束してた日じゃないか! 慌ててがばっと起き上がると、ズキズキと頭が痛みだす。 「いてて・・・・・・」 昨夜飲み過ぎたのは覚えている。 ――でも・・・・・・ どうやって家に帰ってきたのか、どうやってベッドに辿りついたのか・・・・・・ 全く思い出せなかった。 美雪が面倒をみてくれたのだろう。 その証拠に、きちんとベッドで寝ているのだから。
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