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有楽町を所轄とする丸の内中央警察署からやってきた刑事との話で判明したのは、逃げたチョーカーの男性と若い女性が名うての泥棒だということだった。
高柳洋一郎、三十五歳。元々はシステムエンジニアだったが、会社の金を横領して逃亡。その後、田舎町で空き巣を繰り返していたらしい。
若い女性は清水姶良、十八歳。元町長をしていた実の父親が死亡した後、高柳と出会って誘われたと見られている。
それから二人は日本各地で空き巣や窃盗、強盗の類いを繰り返しており、地方の警察庁では著名な犯罪者だったという。
「出入口が一つしかないことを確認した上で、裏口のダクトを塞いで換気できなくさせ、引き戸も閉めて一酸化炭素中毒にさせる……予てからの計画でなければ、酸素ボンベは用意していないはずですよね」
「爆発だって言ってバッグをばらまいて、本命のを盗んで逃げるはずだったのよね。でも、私が食い止めた。なのに、その最悪のケースにも備えてたんだから……あー、ムカツク」
松樹がまた悔しそうに歯噛みしている。
しかし、悪いことばかりではなかった。
「ですが、彼らもこれで終わりでしょう。警視庁の捜査二課と三課が総出で追うようですから」
今回の事件で奪われたのは約十万人のクレジットカードデータであり、ただの窃盗ではないこと。
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