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「恋(れん)ー!
リロードー!!」
至るところに音が溢れる。
奏でる音、ぶつかり合って鳴る音、動作によって鳴る音。
ソノ音、音のどれもが、生きているように踊っているのが、とても心地よく聴こえた。
先程まで居た部屋とは違う、静けさとは程遠い賑やかな場所。
音屋──ツェプク。
そう呼ばれる大樹の中で、
多くの部屋や廊下、階数まで設けられた、まさに樹の家とも呼べる場所の食堂で、幼い声が響いた。
ソノ声に名を呼ばれた二人の少年が、声のした方を見やる。
ソコには柔らかい亜麻色の髪を揺らして走ってくる、愛らしい少女──エバ・ルータの姿があった。
「よぉ、エバ」
黒い髪に黒い瞳の少年──恋が、食堂の机に頬杖をついて、口に木の根から作られたシオン菓子を咥えながらエバに答える。
側には神ノ獣と歌われる、コノ世界の至るところに住む“魔獣(セーグェ)”が座り、恋は魔獣のふわふわとした毛並みを撫でていた。
魔獣が気持ち良さげに、甘えるように、鳴き声を挙げる。
「どうしたんだい?
エバ、
そんなに走って」
同じく恋の向かい側、机を挟んで座る蒼い髪の少年──リロードが、柔らかい口調でエバに声をかける。
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