音屋──ツェプク ~ 少女の願い ~

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エバが目を大きく見開き、嬉しそうに微笑む。 ソノ姿に、周囲も興味を持ったのか遠目で見るのから少しずつ近くに寄ってくる。 「どうしたの、どうしたの」と。 「あのねっ! 最近御姉様が元気ないの!」 「クロンティスか…。 アイツ、いつも静かじゃね?」 「私! 御姉様を元気にしたいの!」 「安心しろ、いつも元気だから。 …………実験材料見つけた時は」 「れーん?」 エバが想ったままのことを強く口にし、ソレに恋が頬杖をついて言葉を返す。 ソレにエバが再び想いを口にすると、恋は再びニヤニヤしながら言う。 ソレにリロードが、恋の名を呼び、「エバを可愛がるのは後で」と言葉を流す。 恋が二歳年下の少女──エバの両頬を手で挟み、ふにふにとする。 ソレにエバがくりくりとした目で「なんだ」とばかりに返す。
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