音屋──ツェプク ~ 少女の願い ~

7/7
前へ
/61ページ
次へ
「じゃあまずは街の人に、飛び入り参加いいッスかー?! って許可貰わねーとなー」 「あとは僕から長(おさ)に相談しよう。 長も許可してくださったら正式に申請もできるし」 「でも春祭まであと七日じゃね? あ、でも七日もあればなんとかできるか」 恋が天井──遙か高い樹の天を見上げ、リロードが椅子から立ち上がり言う。 恋が頬杖をやめ、リロードに声をかける。 恋は「よっこいせ、やべ、ジジイみてェ」と言いながら立ち上がると、「オレ、市長とこ行ってくるわー」と言って歩いて行った。 実に行動派であった。 リロードも「ああ、お願いするよ」と言うと、エバの手を握り、音屋──ツェプクの最上階へと向かって歩き出した。 エバはそんな頼もしく行動力の高い二人のお兄さんの姿を、喜びと期待の眼差しで見つめていた。 。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加