妹 と 姉

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──御姉様… 月日が経つにつれ、どんどんそうなっていく姉の姿に、エバの心を悲しい気持ちが嵐のように襲った。 外は温かい日差しと、はらりはらりと舞う花びらが陽気な世界を映していた。 けれど今自分達が居る部屋は薄暗く…、氷ノ魔女と歌われる姉の力が漏れ出しているのか、どこか寒い空気が漂っていた。 次第に自分の吐く息にも白くなる。 気づけば部屋にはうっすらと霜がつき始めていた。 エバが目をつむる。 そして少しして開き、真っ直ぐに姉を見据える。 ソノ背中は、とても寂しそうだった。 エバが近くにある戸棚の中から、常備品として置いている毛布を引っ掴み、姉の許(もと)へととことこと寄る。 静かで、無感情で、それでも美シイ姉の声が耳についた。 ソノ歌声ですら凍えるように寒く、歌を伝うようにリズムに合わせるように、部屋の霜が増えていく。 とても静かに、とても無感情に、それでも尚、美しく…。 ──感情が感じられないなんて…、こんなの、御姉様らしくないわ。 御姉様は、もっと活発で元気な方でいらっしゃったもの…! 私が御姉様を元気にしなくちゃ!!
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