妹 と 姉

6/6
前へ
/61ページ
次へ
エバはそう想うと、姉に毛布をガバッとかぶせ、目の前の窓を開け放つ。 温かく陽気な春の空気が流れ込み、部屋の温度を少しずつ、少しずつ温めていった。 エバがぎゅっと姉へと抱きつく。 気づけば歌はやんでいた。 エバが姉を見る。 …と、姉の感情の無い銀灰色の目とエバの同じ銀灰色の目があった。 感情の無い姉の目が自分を見つめる。 …何を想っているのか、何を考えているのか分からなくて、心に寒い何かを呼び込むような感覚がした。 エバはもう一度姉をぎゅーっと抱きしめると、姉から背を向け、パタパタと軽い足音を鳴らせて部屋の外へと走っていった。 。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加