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エバはそう想うと、姉に毛布をガバッとかぶせ、目の前の窓を開け放つ。
温かく陽気な春の空気が流れ込み、部屋の温度を少しずつ、少しずつ温めていった。
エバがぎゅっと姉へと抱きつく。
気づけば歌はやんでいた。
エバが姉を見る。
…と、姉の感情の無い銀灰色の目とエバの同じ銀灰色の目があった。
感情の無い姉の目が自分を見つめる。
…何を想っているのか、何を考えているのか分からなくて、心に寒い何かを呼び込むような感覚がした。
エバはもう一度姉をぎゅーっと抱きしめると、姉から背を向け、パタパタと軽い足音を鳴らせて部屋の外へと走っていった。
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