問題事は増えていくのが基本

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「あんな国あっても邪魔だしな」 「……俺一言も言ってないんですけど?」 「ランクXを嘗めちゃいかんよ……ヒイロ、ミリタルアが欲しいってよ」 一言も言ってないのだが、考えていたことに答えてくれたからいいのかな? ブレイブさんがそう言うと、ヒイロは「了解です」と言って同じようにピアスを持って誰かと話している。 「……うん、分かったよ……明日には移動できるようにしてくれると言ってましたよ」 「相変わらず俺達の常識を無視してくれるなあいつ……あっちにはそう伝えておくぜ」 「……ミリタルアって……確か東方の国ですよね?」 ミリタルア。 東方の国と呼ばれ、こっちと色々と違う。 まず家だけど畳や障子、襖が使われていて、屋根には瓦が、壁は土塗の真壁となってるらしい。 服装も和服と呼ばれるものを着ているとか。 武器は多くの人が刀と呼ばれる剣に似た武器を使ってるらしい。 そういやあの時襲ってきた奴も刀を使っていたな……。 俺が知っているのはここまでだ。 「おう、そうだな……それと敬語いらんぞ?」 「ランクXに敬語使わないとか無理だと思うんですが……」 「お兄ちゃん含めそう言う人ばかりなので我慢してください」 ランクX二人がフレンドリーなんだが俺はどうすればいいんだろう? 普通ギルド員は敬語を使うべき筈なんだけどなぁ……この二人も常識外れなんじゃねえか? 「それと一つ話もあるんだが……まだ帰ってこねえのか?」 「ああ、そう言えば伝言で『あの話はしちゃっていいよー』って言ってましたよ……時間かかるらしいので」 「全くあいつは……まあ、早めの方がいいか」 ブレイブさんとヒイロで何か話しているが、俺達には分からない。 俺達に関係する話、というのは分かるんだけどな……。 そう思っていたら二人共は俺達を見る。 思わず背筋を伸ばしてしまう。 「はっはっはっ! そう畏まらんでもいいぜ? 何せこの話に関しては俺達からのお願いだからな」 「まあ最悪断ってもいいですよ……別に強制はしてませんし、寧ろ強制なんてしたらお兄ちゃんに怒られかねません」 「え、えっと……その、話っていうのは……?」 二人の言葉を何とか噛み砕いて理解する。 つまり二人はお願いする立場にある事。 断ってもいいし、後で面倒事が起きることもなし。 ……問題は相手がランクXって事だけど。
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