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「俺は構わないです……お前らは?」
「私は賛成だ……危険は増えるが、ただ安全に暮らしているだけよりはマシだ」
「……それに、今回みたいなことに巻き込まれない、なんて言いきれませんっ……」
「そうだよね……うん、少しでも強くならなきゃ……」
皆はそれぞれの想いを口にしながら、ブレイブさんの案に賛成する。
きっと普通の学生が踏み入れちゃいけない世界なんだろうけど、俺達にはそのチャンスが巡ってきた。
それなら挑戦してみたい。
「何とか入ってもらえましたね……お兄ちゃんはかなり悩んでいたみたいですけど、杞憂でしたね」
「……悩んでいた?」
「『非日常にはまだ早いんじゃないかなー』って何度も言っていたんですよ……何だかんだ言って心配性ですから」
俺達を見ながらヒイロは微笑みながらそう言う。
リキが俺達の心配を……いや、今思えばかなりしていたな。
他の三人は知らないかもしれないけど。
「……しっかし、まだ帰ってこねえなあいつ……」
「……ちょっと迎えに行ってきますね」
ブレイブさんが外を見ながらそう言うと、ヒイロは”ディメンションゲート”を開いて中に入っていく。
数分黙っていると……
「わざわざ迎えにきてくれてありがとうねヒイロ」
「……まさか国を創っているとは思いませんでしたよ……」
「待ってくれ、何かとんでもない言葉を聞いたんだけど」
再び空間を歪ませて”ディメンションゲート”が現れ、その中からヒイロと黒コートを着たリキが現れる。
服が違うところ以外はいつも通りのリキで、何だか安心した。
……でも流石に国を創った発言はスルー出来ねえわ。
どういうことだよ……?
「どういう事も何も、創造魔術で創ったのさ……僕が規格外なのは知ってるだろ?」
「いやいやいや……それでも普通は国創れねえから」
「常識に囚われちゃいけないってどっかの巫女さんも言ってたし」
「誰だよそいつ……」
いやまあ、創造魔術なら出来るかもしれないけどそれって複数人でやるもんだろ?
それを一人でやるって……規格外中の規格外だろこいつ……。
……ここと協力関係になるなら常識捨てた方が良いって言うのか……?
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