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「まあ、とりあえず今日はここで休んでいったら? 今寮に戻ったら面倒だと思うし」
「部屋は余ってますし、一人一部屋でいいですかね?」
「そうだな! 今用意させよう!」
リキがそう提案すると、ブレイブさんは従業員に指示をする。
確かに寮に戻ったら何があったかを聞かれて口止めされそうだな……面倒そうだ。
ここに泊まるのが吉だな。
「それから……よし、これで一か月は休める」
「何してんだ?」
「少し学園長脅して休みを貰おうかと」
「ランクX匿名……なんて悪戯を……」
リキが何か書いてるので見ると、学園長への脅し文章が書かれていた。
今回の事件についてバラされたくなければ一か月休みを与えよと書かれてるんだが……一番酷いと思ったのはランクX匿名だな。
ただの匿名なら後で権力とかで潰せばいいけど、ランクX。
特定できれば評価を下げるとかそんな反撃も出来るけど匿名。
何もしていないランクXに喧嘩を売ればどうなるかは誰だって分かる。
無視をするという選択もあるけど情報を握っているのはリキ。
躊躇することなく情報を公開するだろうなぁ。
これは頭を悩ませるだろうなぁ……まあ、選択肢は休みを与えるしかないと思うが。
「それじゃあヒイロ、隠密の練習って事でこれ学園長の机に置いてきて」
「今日は忙しいですね……まあ、すぐ終わりますしいいですよ」
お願いされたヒイロは”ディメンション・ゲート”で消えてから数十秒で帰ってきた。
早すぎねえか? どうやったんだよ?
「手刀で眠らせてから机に置いただけですよ」
「騒ぎになる前に逃げればいいしね」
「お前らに常識は通じねえと再認識させられたよ……」
隠密というより暗殺に似た何かになっとる……いや、確かに犯人が分からなければどうしようもなくなるけど……えぇ……?
「まあ、まずは休みなよ……お腹も空いてるだろうし後でご飯作って持ってくよ」
「おおっ、リキの料理か!」
「残念ながらユウタ達のしか用意しませんよ……あっ、ヒイロは今日頑張ったし作ってあげようか?」
「ありがとうございます」
「なぜ!?」
ランクXの気軽な会話を聞きながら、俺達は指定された部屋に行って休んだ。
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