セラフィス学園

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「ここがセラフィス学園……僕が通う所かぁ」 周りの建物に比べて明らかに大きい建物を見上げながら、僕はそう呟く。 こんなに大きいのはこの国でここしか学園が無いからだっけか? 学園か……今まで通った事なんてなかったな。 ていうかそんな暇なかったし。 なんて思いながら歩き出そうとすると…… 「おう、どうしたんだお前?」 後ろから誰かに声を掛けられるので、僕は後ろに振り向く。 そこにいたのは不良系イケメンみたいな男だ。 目に掛からない程度の茶色の髪に服を着てる状態でも分かる鍛えられた体。 それを見て僕はかなりの強者だなと思う。 「……君は?」 「俺か? 俺はユウタ=シュラムって言うぜ! お前は?」 「僕はリキ=セブンシーだよ……君もこの学園に?」 「おう、そうだぜ」 自己紹介をされたので、僕も自分の名前を言う。 ユウタ、ね……珍しい名前だね。 それは僕もだけど。 「なら一緒に行こうぜ! 一人じゃ何か嫌だしな!」 「いいよー……それじゃあ早めに行こうか」 「おう!」 そう言い、僕とユウタは歩き出す。 僕はさっきも言った通り、リキ=セブンシー。 容姿に関しては平凡の代名詞にでもなれそうなくらい普通だよ。 髪も黒だし、長くもなければ短くもない。 秘密を抱えていること以外は、ね。 それを教えるわけにはいかないけど。 「では、ギルドカードを提示してください」 なんて考えていたらいつの間にか入り口前に着いていた。 そこでは何人か教師らしき人がいて、ギルドカードを見ながら用紙を書いている。 ここでどのクラスに入れるか決めるのかな? 「次ユウタだよ」 「そうだな……あ、ギルドカードはこれです」 順番が回ってきたので、勇太はギルドカードを提示する。 確かギルドカードにはランクが書かれているはずだから……ユウタのランクが分かるのか。 「ランクA……!? 君はもしかしてあのユウタ=シュラムなのか!?」 「あー、はい」 「それなら問題なくAクラスです!」 ギルドカードを見て教師は驚く。 そりゃあ、ランクAなんて学生じゃ普通いないしね。 かなり強くなきゃなれないよ。
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