使い魔召喚

2/22
前へ
/163ページ
次へ
さて、使い魔召喚となるんだけど……。 「君だな!? ユイさんを脅しているのは!!」 「うるさっ……」 いきなり僕を指差してそう叫んでくるイケメンがウザい。 本当にウザい。マジでウザい。 ユイさんを見ると「えぇ……?」と引いており、ユウタを見れば「うわっ、こいつかよ……」とか言いながら下がっていやがる。 いや、助けろし。 「黙ってないで何か言ったらどうさ!?」 「……ねぇ、ユウタ?」 「こいつに絡まれたのは不運だったと思え」 何てこったい。 ユウタが匙を投げるレベルの災害であったのか……もう僕何キャラなのか分からんね。 それくらい目の前のイケメンがウザいんだよ。 こういう時は……! 「ヘループ! ラグさーん!」 「何があった……そんな事よりも使い魔召喚するぞ」 そ ん な こ と。 この僕のピンチをそんな事で済ませるとかラグさんマジ無慈悲。 いや、このまま使い魔召喚に移れれば大丈夫― 「無視するつもりか!?」 出来ませんでした。 ていうかそろそろ僕もブチ切れていいんですかねぇ……? そう思っていると…… 「さっきからうるせえなお前は……迷惑だぞ?」 「……君もなのか?」 「てめえがリキの敵になるってんならそうだろうな」 ユウタが前に出て苛立ちながらそう言い放つ。 やだ、ユウタがかっこいい……! なんて冗談は置いといて……ユウタが最初から敵意を向けているのは初めて見るな……。 どういう事だろ? 「ムカつくんだよ……強いからって何でも出来るって思っているお前が!」 「僕は正しい事を言っているだけだ! 人を脅すなんて良くない事だろ!」 「まずリキは人を脅してねえ!」 ユウタの言葉で何となく理解する。 こいつは今で満足していて、しかもそれで何でも出来ると思っていると。 けど、ユウタは今の実力じゃ全然満足してないし、自分は何でも出来るわけがないと思っている。 正反対だなぁ……しかも絶対に仲良くならない奴じゃん。 こんな奴と仲良くなってほしくないけど。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

403人が本棚に入れています
本棚に追加