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さて、使い魔召喚となるんだけど……。
「君だな!? ユイさんを脅しているのは!!」
「うるさっ……」
いきなり僕を指差してそう叫んでくるイケメンがウザい。
本当にウザい。マジでウザい。
ユイさんを見ると「えぇ……?」と引いており、ユウタを見れば「うわっ、こいつかよ……」とか言いながら下がっていやがる。
いや、助けろし。
「黙ってないで何か言ったらどうさ!?」
「……ねぇ、ユウタ?」
「こいつに絡まれたのは不運だったと思え」
何てこったい。
ユウタが匙を投げるレベルの災害であったのか……もう僕何キャラなのか分からんね。
それくらい目の前のイケメンがウザいんだよ。
こういう時は……!
「ヘループ! ラグさーん!」
「何があった……そんな事よりも使い魔召喚するぞ」
そ ん な こ と。
この僕のピンチをそんな事で済ませるとかラグさんマジ無慈悲。
いや、このまま使い魔召喚に移れれば大丈夫―
「無視するつもりか!?」
出来ませんでした。
ていうかそろそろ僕もブチ切れていいんですかねぇ……?
そう思っていると……
「さっきからうるせえなお前は……迷惑だぞ?」
「……君もなのか?」
「てめえがリキの敵になるってんならそうだろうな」
ユウタが前に出て苛立ちながらそう言い放つ。
やだ、ユウタがかっこいい……!
なんて冗談は置いといて……ユウタが最初から敵意を向けているのは初めて見るな……。
どういう事だろ?
「ムカつくんだよ……強いからって何でも出来るって思っているお前が!」
「僕は正しい事を言っているだけだ! 人を脅すなんて良くない事だろ!」
「まずリキは人を脅してねえ!」
ユウタの言葉で何となく理解する。
こいつは今で満足していて、しかもそれで何でも出来ると思っていると。
けど、ユウタは今の実力じゃ全然満足してないし、自分は何でも出来るわけがないと思っている。
正反対だなぁ……しかも絶対に仲良くならない奴じゃん。
こんな奴と仲良くなってほしくないけど。
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