使い魔召喚

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「ユウタ、もう大丈夫?」 「ああ……サンキューリキ」 「いや、僕を庇ったらああなっちゃったわけだし、大丈夫だよ」 ユウタの震えもなくなり、普通に立てるようになる。 さっきのイケメン野郎のせいだね……ただのイケメンは害悪だね。 ユウタのようなイケメンを目指さないと。 僕? 平凡で満足してるんでいいです。 「誰からやる?」 「……私からやろう」 「カノンちゃん、頑張ってっ……」 ユウタがそう言うと、カノンが魔法陣の上に立つ。 ハルが応援したら緊張が和らいだのか、微笑む。 そうだよねぇ……初めての召喚は緊張するよね。 だからハルのような緊張を和らげれるのは貴重だよ。 カノンが深呼吸してから血を垂らすと、魔法陣が輝きだす。 輝きが収まると…… 「……貴女が私を呼んだの?」 「ああ……契約をしてくれるか?」 「ええ、分かったわ」 水の精霊であるウィンディーネが召喚され、カノンと契約する。 ……ウィンディーネか……確か上級の使い魔だったかな? ……にしては魔力が多い気がするんだけど……気のせいか? 「私は終わったぞ……次は誰だ?」 「それじゃあ私がやろうかな?」 「俺はその次にでもやるよ」 カノンが魔法陣から離れると、ユイが魔法陣の上に立つ。 一息ついてから血を垂らすと魔法陣が輝き…… 「……汝が呼んだのか?」 「え、ええ……貴方は……?」 「我はフェンリル……汝には神獣と言った方が分かりやすいか?」 ……まさかのフェンリルですか。 ていうか待って、神獣って事は神級で……ん? にしては魔力が少ない……? 考えられる可能性としては……まあ、学園内では支障はないかな? それよりも面倒なのはフェンリルが召喚されたという事実。 ……それなら何とか辻褄が合うかな? それでも面倒な事には変わりはないけど……勧誘する人はどんな人であれ、強ければいいし。 まあ、あのイケメン野郎だけはどんなに強くても絶対に嫌だけどね! 「わ、私が神獣を……!?」 「うむ、それで……契約はせぬのか?」 「あっ、するよ!」 ユイが驚きながらも手を差し出すと、フェンリルは手を乗せる。 すると手が輝いて、契約の証が出来る。 あのフェンリルについては後で調べるかな……流石に気になるし。 本来なら魔力とんでもないし。
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