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「それじゃあ次は俺だな」
「総員、正座して待機!」
「なんでや!?」
ユウタがそう言いながら魔法陣に立ったところで僕がそう叫ぶと、皆正座する。
カノンまでノッてくれるとは……意外だね。
「緊張するだろうが……」と呟きながらも血を垂らすと……魔法陣がめっちゃ輝きだす。
ていうか待ってこれって――
「……んあ? ここ何処だ?」
いつの間にか真っ白い空間にいるんだけど……何だこれ?
確か目の前にリキ達が正座してたはずだよなぁ……?
ていうか何であいつらいきなり正座しだしたし。
「ふむ、そなたが呼ばれたのか」
「え? 誰かいるのか……って、女の子?」
「そう呼ばれたのは久方ぶりじゃのお……」
声がすると思ったら後ろに銀髪の少女が立っていた。
……にしては魔力多すぎじゃね?
声を掛ける前のリキ……よりあるなこれ。
どういう事だこれ?
この少女は何者だ?
「妾がただの少女ではないとは分かったな?」
「ああ……でも、確か俺は使い魔召喚していて……」
「……ふむ、知らぬようじゃな」
目の前にいる少女が只者ではないと理解したところで、何かを教えてくれるようだ。今は黙って聞いてた方が良いな。
襲われたら確実に勝てないだろうし。
「使い魔召喚と言ったな?」
「お、おう……そうだな」
「上級までは普通に召喚されるんじゃが、それ以上……つまりは最上級以上になると逆召喚が起きるのじゃ」
この少女の言葉を信じるなら、今起きている現象は逆召喚で、目の前にいるのは最上級以上の化け物という事だ。
……俺、最上級以上を召喚出来ちゃったの?
「慌てるでない……別に今すぐ契約するわけではない」
「……どういう事だ?」
俺がそう問うと同時にゾクッ、と悪寒がした。
地面を思いっきり蹴って後ろに跳んだ瞬間、さっきまでいた場所が爆発していた。
大剣――アロンダイトを構え、インペリアルも装備する。
さっきの一瞬で分かったことは、さっきの爆発は”軽く”でしかない事。
「さあ……妾を楽しませよ!」
――とんでもない魔力を持った少女と戦う事になってしまった事だ。
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