セラフィス学園

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「次の人はギルドカードの提示をお願いします」 「はい」 「ランクはC……それならCクラスです」 僕がギルドカードを提示すると、教師はさっきまで興奮していたのを戻し、そう答える。 まあ、ランクCだしそんなもんだよね。 そう思っていると…… 「あーすみません、俺もCクラスでいいですか?」 「へっ? しかし……勿体ないですよ?」 「うーん……俺、こいつと気が合う気がして……上を目指すならこいつと目指したいんです」 ユウタがCクラスに行きたいと申しだした。 しかもその理由が僕ってどういう事? 教師もめちゃくちゃ困ってるし……助け船出すべきか? 「それに、これは俺の勘だから何とも言えないんですけど……こいつ、Aでもやってけるような気がするんです」 ユウタのその言葉に僕は内心ヒヤリとした。 ていうか後もうちょっとで表情に出てたぞ僕。 それ本当にただの勘か? 教師も用紙見ながら「ランクA……うーん……」って悩んでるし。 後ろも並んでるから早く終わらせないと……。 「……分かりました。ユウタ君とリキ君共にBクラスでいいですか?」 「はい! ありがとうございます!」 そう思ってたらまさか要求が通った件について。 流石ランクA、言葉の力が強いね。 しかし、まさか僕も上げられるとは思わなかったよ。 ユウタをCに下げるのは不味いと思ったのかな? 「これからよろしくな、リキ!」 「うん……でも、そうして僕と一緒が良いの? 今日会ったばっかじゃない?」 僕がそう言った瞬間、後ろから「そんな馬鹿な!?」と教師の声が聞こえた。 まあ、そうなるよね。 「うーん……良い奴そうだから?」 「何で疑問形さ?」 「まあ、そういうのはこれから分かるだろ?」 まさかの疑問形で答えられたでござる。 いや、まあ……友達が出来るのは嬉しいけどさ。 そう思いながら教室に向かう。
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