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「……ふむ、次の人」
少しざわついたものの、ラグさんは何事もなかったかのように進める。
その後も自己紹介が続いたけど、聞き流したので覚えていない。
「さて、自己紹介は終わったな? 二時限目から四時限目を使って校庭で魔武器作成と使い魔召喚を行う……まだ三十分余裕はあるから、それまで適当に時間をつぶしていてくれ」
自己紹介が終わると、ラグさんは皆にそう言って……僕を見る。
ええっと、口パクで「この後屋上に来い」、か……何その体育館裏来いみたいな言い方は。
まあ、何となくは分かってるけどね。
「ん? どこに行くんだ?」
「用事を思い出してね……ちょっと行ってくるね」
「おう」
立ち上がったらユウタにそう聞かれたので適当に答えて教室を出る。
「……来たか、飲むか?」
「あ、これはどうも」
屋上に上がると、缶コーヒーを飲んでいるラグさんがいる。
缶コーヒーを貰って開けて飲む。
「……僕微糖派って言ってませんでしたっけ?」
「ブラックも飲めた方がいいぞ」
「苦いんですよ……僕まだ高等部になったばっかですよ」
「もう高等部だろう」
ブラックコーヒーを飲みながら他愛のない話をする。
……まさかこのために呼ばれたわけじゃないよね?
「んで、何の用ですか……”常闇の領域<ダークネス・オルクス>”?」
「ここであまりその名前で呼ぶな、”正義の使者<オーダー・ナイツ>”」
「仕返しと言わんばかりに呼ばないでくれませんかね?」
ラグさんを別の名前で呼ぶと、笑いながら仕返しされる。
……まあ、この通り僕とラグさんは普通ではないんだよね。
ていうかラグさんが先生やってるなんて初めて知ったんだけどね。
あまり依頼に出ないと思ってたらそう言う事か。
ギルドランクはE~SSランクまであるんだけど、例外としてランクXって言うのがある。
例外はSSでも桁外れな存在……つまりは僕達である。
面倒なことに僕もなんだよね。
まあ、昔が昔だからね。
仕方ないね。
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