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翌日の午後。
校庭に1年の生徒が集まっていた。
二人を中心に観客のように座っている。
中心にいる二人はユウタとイケメン野郎もといキョウジ。
インペリアルを装備し、キョウジもマントを羽織っている。
両者とも準備はばっちりだ。
まあ、これ見て分かると思うけど、これ決闘だよ。
1年全員が集まっているのは戦う二人が人気あるから。
ユウタは言わずもがな、キョウジも人気あるんだって。
ユウタと同じランクAで、魔力は学生にしては多く、剣の扱いも上手い……とは聞いた。
けど、正直ユウタの圧勝で終わる未来しか見えないな……。
だって、ユウタの魔力が異常に上がっているし。
ランクAで魔術を基本攻撃としている人並みに上がっているし、それでも抑えてるからね。
「では、これから1-Bのユウタと1-Aのキョウジの決闘を始める! 魔武器あり、使い魔はなしだ! 防死結界を張ってるから存分に戦え!」
ラグさんが審判。
ルールは普通の決闘と少し違うくて、使い魔はなし。
まあ、それ以外は同じだけどね。
「……来て、エクスカリバー!」
キョウジがそう言うと、金色に輝く剣が現れる。
それはまるで、彼を祝福しているかのように。
それを持った瞬間、魔力が膨れ上がる。
なるほど、あれの魔力で戦闘力を上げてるのか。
……あれ、レプリカだけど。
「……エクスカリバー、か……」
「そうだ! これが僕の手にある限り……僕の勝利は約束される!!」
「……はっ、その程度の魔力でか? 調子に乗るのもいい加減にしてほしいな」
キョウジがそう言うと、周りは黄色い声で埋まる。
うーん……流石にクラスAとBじゃ人気も違うのかね?
完全にアウェーじゃないか。
だが、そんな状況にユウタは吐き捨てるようにそう言う。
勿論そんなこと言えば周りからのブーイングは激しくなる。
「……来い、アロンダイト」
ユウタがそう言うと、装飾のない白い大剣が現れる。
何かに祝福されてるわけでもなく、何かを約束されたわけでもなく。
それでもその大剣は、そこらの武器とは比べ物にならないくらいの力を感じた。
ユウタはそれを持つと、魔力を解放していく。
まるでそれは、調節しているようにも見えた。
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