決闘

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「……ふう、こんなもんか」 「準備はいいのかい?」 「ああ」 魔力を調節し終わると、キョウジはそう聞いてくる。 負ける気はしない。 何せリキがそう言ってくれたからな。 あいつは隠しているんだろうけど、あの時の魔力とオーラは覚えている。 寧ろ忘れることが出来ない。 それほど強大だったんだ。 それと比べたら目の前にいるキョウジは手を抜いても勝てるだろうな。 「それじゃあ……始め!」 「ホーリーランス!」 ラグさんが合図を出すと、目の前に普通の大きさの光の槍が現れる。 それは俺に向かってくるが、上級魔術なのにあまりにも直線的なので笑えてしまう。 アロンダイトで切り裂くと、光の粒子となる。 「はあああっ!」 「ふっ!」 光の粒子の中を突っ切ってキョウジがエクスカリバーで斬りかかってくるので、アロンダイトで受け止める。 そのまま力押ししようとしているのか、力が強くなっていく。 「……っ! フレイムインパクト!」 「ぐっ!?」 それを利用して俺は目の前を爆発させる。 キョウジはガードはしたが、吹き飛ばされていく。 上級魔術の一つで、座標を合わせるのが面倒だが、目の前にいるなら話は別だ。 威力も高い方だし、ダメージは与えられただろ。 えっ? 魔術は使えなかったんじゃないかって? 魔力が少なかっただけで頭には入ってたんだよ。 それで昨日ニアに見てもらいながら練習したんだ。 だから使える。 「 ど、どうして魔術を……!?」 「使えないからって諦めるわけないだろうが!」 「ぐうっ……!?」 驚いているキョウジに魔力を纏ったアロンダイトを振り下ろす。 受け止められるが、圧倒的にこっちが勝っている。 ……でも、まだだ。 「ファイアーボール!」 「その程度……!?」 「遅いっ!」 拳くらいの炎の玉をキョウジに放ってからそれを突っ切るように地面を蹴って近づく。 気づけなかったキョウジは炎の玉を防ごうとして剣を振ろうとするが、その前に俺がアロンダイトを振り下ろす。 それは剣を弾き飛ばし、キョウジの胴体も斬り付ける。 「ぐあっ……っ!」 「おっと……流石にそんなのろまな斬撃は当たらんぞ?」 痛みに耐えれたのか反撃に剣を横に払うが、後ろに跳んで回避する。 一旦距離を取って構える。 攻勢になったからって攻め続けるのはいけないからな。
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