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「その程度か? よく俺を倒せるなんて言えたな?」
「……まだ、本気を出してないからね」
「へぇ……」
煽ってみると、笑いながらそう言い、剣を目の前に構える。
このまま終わるのもつまんねえし、しばらく待ってやるか。
そう思っていると、剣――エクスカリバーを中心に光が集まっていく。
どうやら一撃の必殺を放とうとしてるようだな。
それと同時に周りから黄色い声が聞こえる。
うるせえな……本来ならもう倒してるっていうのに。
「…………」
俺はそれを横目にリキを探す。
すると、ユイ達と一緒にいるのを見つける。
ユイは慌てていて、カノンは険しい顔をしていて、ハルは不安そうな表情で見ている。
だけど。
リキだけはいつも通りの、焦っているようにも、慌てているようにも、不安そうでも、険しそうな表情でもなかった。
だから。
確信する。
俺は勝てると。
「……魔術回路解体、魔術回路再構成……出力調整……」
ニアと戦った時と同じように魔術回路を組み換え、魔力を放出する。
けど、抑える。
じゃないとまた倒れちゃうからな。
そう思っていたら、エクスカリバーの光が集まり終わったのか、五倍くらいの大きさになっていた。
……大きすぎるだけじゃ、火力は出ないがな。
「これが僕の聖剣だ――”約束された勝利の剣<エクスカリバー>”!」
「行くぜ――”極限を超えし兵器(制限版)<リミデット・オーバードライブ>”!」
振り下ろされる巨大な光の刃と強大な魔力を纏った剣がぶつかり合う。
最初はぶつかり合っているだけだったが、徐々に光の刃を切り裂いていく。
「ど、どうして……!?」
「お前よりも強い奴を知ってるからな……その程度で今更負けてやれるかよおおおっ!」
キョウジの声に俺は叫びながら一気に切り裂いていく。
目の前にキョウジが見え、勝利を確信する。
「これで! 止めだあああっ!!」
魔力を放出したまま、思いっきり振り下ろす。
衝撃を手に感じ、キョウジは声を上げることも出来ず、吹き飛んでいく。
結界に衝突し、動かなくなる。
……魔術回路、再構成……正常。
制限すれば普通に使えそうだな。
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