セラフィス学園

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「それより次は使い魔召喚だ……出来れば目立たないようにしてくれよ?」 「善処はしますけど……凄いの召喚しちゃったときはどうしようもないんじゃないんですかね?」 「気合いだ」 気合いでどうすればいいんだろうね? まあ、隠蔽魔術は使えるけど……勘で気づきそうな奴が約一名いるんだよねぇ……。 どう誤魔化そうか? 「……そろそろ時間ですね」 「そうだな……校庭に転移で……いや、お前は普通に行った方がいいのか」 「そうですねー……面倒だなぁ」 魔武器作成と使い魔召喚の時間に近づいているので、ラグさんは転移で、僕は歩きで向かう。 「……暇だな……」 リキが用事で教室を出て行った後。 俺は机に突っ伏していた。 つまんねえなぁ……楽しく話せると思ってたんだけど。 「やっぱりユウタ様は凄いですわ!」 「そりゃあランクAよ! 凄いに決まってるじゃない!」 「Bクラスにいるのが本当に不思議よね……」 さっきから話しかけてくるのってこんな奴らだし。 凄いとかランクAとかそればっかりだ。 そんなのどうでもいいのに。 「そういえばさっき隣にいた人はどこにいきましたの?」 「あー……何か用事あるって言って教室出てったよ」 「何か悪い事でもしたんじゃないの?」 ……リキが悪い事? 確かにラグ先生が入ってきてから変だったような気がしたけど……どうして悪い事って決めつけれるんだ? 「だって魔力なしよ? そんな奴がBクラスに入れるわけがないわよ!」 「それに噂ではランクCらしいわ……何かインチキでもしたんじゃないのかしら?」 「それしかないですわ! それなのにユウタ様にお近づきになるなんて……下郎ですわ!」 魔力なし……確かにあいつはそう言ったな。 ランクCとも聞いた。あの時俺も一緒にいたし、Bクラスなのは俺が我が儘言ったからでもある。 ……じゃあ、あの時……学園前で声を掛ける前のあの魔力は何だったんだ? 声を掛けるのを躊躇ってしまう程のオーラは何だったんだ? 『……君は?』 そう言った瞬間、それらが収まったのは何だったんだ。 気のせいなのか、それとも……? 「……あいつはそんなんじゃない」 「「「……えっ?」」」 だから、無意識に俺はそう呟いた。
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