あの人と再会

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「二人とも可愛いわ」 バナナさんは会話に入らず、ニコニコしている。 バナナさんと目が合うと、 「キウイちゃん、綺麗だよ」 と言ってくれた。 そういう、バナナさんもカッコいい。 「あ、ありがとうございます。バナナさんのおかげです。バナナさんこそ、素敵です」 恥ずかしくて小声で言うと、バナナさんは顔を赤らめた。 「何、二人して赤くなっているんですか?さあ、行きますよ」 メロンさんの声に私達はそれぞれの場所へ移動した。 人が沢山入って来て、私達を見て写真を撮ったり、 感想を言ってくれたりした。 その中にあの人がいた。 「うちのキウイがこんな風に綺麗になるなんて…」 私の前に立って、まじまじと見た。 綺麗って言われて、恥ずかしい…。 「そうね、こんな風に変わるものなんだね~」 あの人の奥様もそう言って、嬉しそう。 写真まで撮ってくれた。 そう、私はこの人達に育てられたキウイ。 そして二人は今日、私に会いに来てくれた。 とても嬉しい。 あの人に綺麗と言われて本当に嬉しい。 …だけど、さっきバナナさんに言われた 『綺麗だよ』 のほうが数倍嬉しいのは、何故かしら? 首を傾げてみたが分からない。 あとで、メロンさんに聞いてみよっと。 それにしても、沢山の人でみんなが見えない。 ここは何をするところ? ──『フルーツアート展』開催中です。 皆さんもよければどうですか? 遠くの方でそんな声がした。 おしまい
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