§ 第1章 へその下に気合いを入れる §

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 九月一日、 夏休みが終わり今日から二学期。 外は相変わらず賑やかな蝉の声がして秋にはまだ程遠い。 美鳥はいつもなら溌剌と登校したのだけれど、 今朝見た夢が原因で鉛をつけたように足が重かった。 「何て生々しい夢なの。 おまけに学校へ行く気分じゃない」美鳥は夢のせいで身の毛がよだち、 どういう訳かひたすら恐怖を感じていた。 美鳥の見た夢はどんな夢なのか。 それは真っ暗な中に美鳥がぽつんと立ち、 遠くから銀色に光る不気味な物が、 じり、 じり、 と彼女へ迫った夢。 果たしてそれが生物だったか判断出来なかったけれど。
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