§ 第3章 極めて奇妙なできごと §

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                  変な教室 美鳥は夢のことを考えながらぼーっと歩いていた。 いつもなら猫じゃらしを摘んで鞄に挿して登校するのだけれど、 今の美鳥はへの字頭の雑草が時の流れのように淡々と通り過ぎた。 学校の門を潜り昇降口で美鳥の鞄は実に面白くないことに気付いた。 「ああ。 残念。 猫じゃらしを摘み忘れたわ」美鳥はがっかりしながら靴を仕舞った。 それから階段を上がり三階の廊下に出ると美桜と香澄に会った。 「おはよう!」美鳥は後ろから挨拶をした。 二人は振り向いて、 「おはよう!」と、 笑顔を返した。 「あら? 美鳥の鞄にいつもの飾りがないわ」美桜はクスリと笑った。 「実は考えごとをして……」美鳥は落胆したのだけれど、 二人は昨日の噛み事件と関連性があると思い込み、 怪訝な顔で美鳥を見つめた。
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