桜とトモに散る

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「僕は寒がりなんだ、これくらいでちょうどいい。昨日までは寒すぎて授業中も震えてたんだから」 ちょっとおおげさだな、とは思いつつも、本当のことかもしれなかったからとりあえず話を合わせた。 その後、マー君と昨日見たテレビの話や今日の給食のメニューを予想しながら歩いていると、例の桜の木が植わった川沿いに差し掛かった。まだ花は咲いていないから木の枝しか目に入ってこない。今は寂しい感じだけど、もう少ししたら綺麗なピンク色で埋め尽くされる。見る人を驚かせるために今は静かに、そして着々と準備を進めているのかもしれない。 「ねー、タカ君。桜はバラの仲間ってことは知ってる?」 そばの桜の木を眺めていたマー君が突然こっちに顔を向けた。 「え、そうなの?全然似てないけどなあ」 桜とバラを頭に思い浮かべてみたけど、似ているところが見当たらない。そもそも色が違う。
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