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「見た目は違うからね。だけど花びらの数だとか、雄しべ・雌しべの数、葉っぱの形が似てたりするんだよ。花びらの数でいえば、五枚だね」
「桜は花びらが五枚っていうのはわかるけど、バラっていっぱい花びらついてなかったっけ?」
「普段僕たちがテレビとか本で見るバラは、人が手を加えて作ったものだよ。だからもともと野原に咲いてたバラの花びらは五枚なんだ」
「へえ、そうなんだ。やっぱりマー君は物知りだね」
「植物のことだったらね」
そう言ってマー君は照れくさそうに笑った。
学校のテストの点数から考えると、僕よりもマー君のほうが頭がいい。というより、クラスでは一番頭がいいと思う。得意な教科は理科で、特に植物に詳しい。今の桜の話のように、植物に関する知識をたまに披露する。難しい言葉も覚えているし、本当に僕と同じ小学生なのかと疑いたくなってくる。頭脳だけ大人と入れ替えた、と言われてもそれほど驚かない。
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