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「そんなの……心変わりしたときに、足枷になるだけだぞ……」
「心変わりするのは和雅さんですか? ……それとも、俺?」
「おっ……オマエに決まっているだろう……まだ若いんだし。きっとこれから魅力的な人にたくさん出会うよ。心を奪われる人も、でてくるかもしれない」
仕事だって走り出したばかりだ。影響を受け、刺激し合える人たちと、これからいくらだって出会いが待っていると思う。
「そうかもしれない。だけどそれで俺が去ったとして、和雅さんは本当にそれでいいんですか?」
「オレはっ、俊介が幸せなら…………それが、一番だと思う」
「とはいってもね……そんな顔して、泣きながら言われても、説得力ないですよ」
「うっ…………」
だって、俊介に幸せになってほしいのも、それによって自分がひとりに戻ることを考えたら悲しくなってしまうのも、どちらも本心なのだ。
「和雅さんが心変わりするっていうなら、まだ考えられるけど……」
「オレは、変わるわけがない」
もともと一度好きになったら、大抵のことでは気持ちは揺るがない。それに加え、俊介の場合は、何度も好きになってはいけないと自制したうえで、それでも抗えなかった相手なのだから。
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