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「んなわけないだろ、ばーか。オマエの父ちゃんだから言っちゃあ悪いと思ってただけで、あんなクズにはもう引っかからねえよ」 「…………ほんと?」 「オレは学習するタイプなの!」 「じゃあ俺は?」  急な不意打ちに一瞬たじろいでしまう。その隙をついて、壁際に追い詰められた。  妙に色気のあるまなざしでじっと見下ろされる。耳元に熱い息がかかった。 「なあ、和雅さん……好きだ」 「ばか言うな」 「本気だから。親父と違って俺は一途だし、初恋からずっと変わらない」  燃えるような瞳が爛々としている。自信がみなぎっていて、若さゆえの怖い物知らずを少しうらやましく思った。 「……ったく、話にならねえな。ありえない」 「やっぱり、俺が高校生だから?」  これ以上は危険だと心のセンサーが鳴った。ふっと鼻で笑ってから真顔になり、迫っていた身体を押しやる。  今までは断っていても、相田自身どこか感情的だった。だが、表情をなくして冷たく突き放す。信じられないものを見るような俊介の瞳が胸に刺さったが、構わず続けた。 「関係ねえよ、オレがそんな人格者に見えるか? 一途とか鬱陶しいんだよ」 「…………アンタ、最低だな」     
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