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「だから何度もそう言っているだろう? 彼に子どもがいるかもしれないっていうのは、SNSでは前から噂があって、一部では有名だったんだ」 「そう、なんですね……」  握っている拳から力が抜けると、目の前の向井がほっと息を吐いた。 「ボクがつかんでいる情報だと、鈴尾くんと息子さんが一緒のところを撮ったのは、鈴尾くんの行き過ぎたファン、つまりストーカーじゃないかって言われてる。痛すぎて誰も信じていないけど、どうも自分が子どもの母親だって妄想を垂れ流しているアカウントがあるらしいよ」 「うわっ、それって……」 「どうかしたかい?」 「いえ……なんでもないです」  もしかしたら、画像をSNSにアップしたのは、悠成の母親なのではないかと思った。俊介に子どもがいると世間に認知されれば、自分が俊介の元にいけるとでも思ったのではないか。 「だけど、鈴尾くんにも原因はあると思うよ」 「どういう意味ですか?」 「こういっちゃあなんだけど、あの子は隠す気があるとは思えない行動をしていたよね。業界の恐ろしさを知らないんだろうけど、危なっかしいと思ってた」  たしかに俊介はそういうところがある。本人は別に悪いことをしているわけではないし、と気にしていないのだろうが、周りの人間からしたら、肝を冷やすことがありそうだ。     
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