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「愛しい人…。
今宵こそ、私の太陽になってはくれぬか?」
甘く語りかけムードが大切と、満月に照らされた金糸の髪に指を絡ませ掬った髪にキスを落とし、私は今日も愛しい人の許しを乞う。
「…。あの、やっぱりこんなことダメです…。」
「何故拒絶する。」
「今のままでは駄目なんですか?」
「君の気持ちは大切にしたい。」
「なら!」
もう、このやり取りをいくほどしたのだろうか。
「待てるなら何時までも待つつもりはある。私には時間は然程関係ないが君は違うであろう。もう、このやり取りも108回目だ。」
「でも…。神様が許す筈が無いもの! だって! 私は勇者で! 貴方は…魔王なのだから……。」
項垂れる彼女の両頬に手を添える。
「でももだってもないだろうに。私は君を愛している。何物にもかえがたいほどに。」
「わたしだって貴方が何者であろうと愛してます!」
「では、きっと神も許してくれるさ。君が18歳の誕生日を迎えてから毎月やり取りをしてこの会話も108回目だ。私は9年待った。君が欲しい。もう子供では無いのだからこの意味は解るな?」
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