情熱を燃やしなさーい

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情熱を燃やしなさーい

 金髪の顔面は傷だらけだった。ナイフでザックリやられたのだろうか?  奴がダメージジーンズのポケットに手を入れた!  バタフライナイフでも出てくるんじゃねぇだろうな!?この歳で童貞なんだ、死んでたまるか!? 「ごめんなさい!」  アスファルトに土下座した。地面はヒンヤリしてる、背筋もヒンヤリしている。 「な~にあ~やまってんで~すかぁ?」  予想に反して金髪は甲高い女みたいな声だった。  ジャパネット高田の社長みたいな声だ。 『イッキュッパ!』 「もしかして、キムタクさんじゃないっすか?」  心臓がバクバク音を立てる。  こいつナニモン!?顔を見ただけでプロフィールが判別出来るのか!?サイヤ人の仲間なのか!? 「似てるってよく言われますけど違いますよ?」 「ハァ?自惚れんなや!キモい顔しよって、キサマなんぞキモタクじゃ」 「なっ、なんなんすか!?初対面のクセにズケズケと、僕のハートを切り刻むつもりですか?」 「ジグジグジグザグジグジグジグザグ♪」  近藤真彦のすに~か~ブルースを歌い出した。しかも間違ってるしスゲー音痴、メリケンサックで殴ってやろうか!? 「うるっせーんだよ」 「おまえは菜々緒か?仁ルーサーってのは俺のこったい、いつも見てくれてありがとよ?」  金髪が親指をグイッと立ててニカッと笑った。  仁ルーサーがこんなところにいるなんて!  仁ルーサー、綾火この2人とバンド組めたらbreakすること間違いなし!  「オリジナルラブホ、ありゃ今井美樹のパクリか?オリジナルラブホってあんたラブホを自分のモノにしようってのか?」 《オリジナルラブホ》は仁ルーサーのデビュー曲だ。 「あぁ、ラブホを占拠してボスになってやる」 「頭どうにかしてんのかい?つーか、何でこんなとこにいるの?運命の赤い糸?」 「キモッ!キモタク!FAITHに書き込んだじゃん?星山に会いにいくって」 「盗み見したのか?つーか、その傷なんなの?」 「慣れないT字のカミソリで髭そった」 「バカか」  
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