サシコロス

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サシコロス

 鴨宮はホクホク顔だった。  指原がいなくなったらサシコロスになる、なんてな?くだらないギャグだ。  星山はナカナカの上ガモだ。  でも、ホラーや殺人はNGだ。老人ホームってバケモノばっかりじゃん?ホラーな世界よね?    まっ、アイドルだから許してあげよう。  金になる木だ。  星山綾香だったらイラないけど、星山綾火だったら大歓迎だ。  薬師丸ひろ子の『探偵物語』がコンポから流れている。  松田優作を目指して俳優になったが現実は厳しかった。そんなに華やかな世界じゃない。 「ラブストーリーはいいけど、ラブストーカーはまずいわね?」  上原が言った。 「おっかけもドが過ぎるとストーカーになるからねぇ、キムタクが綾火ごときの三流アイドルなんか相手にするもんか」  鴨宮のその言葉にカチンときた。 「警備を強化しないといけないなぁ!チッ」(別に好き好んで三流育ててないんだよ!) 「何怒ってんの?ジョン・レノンみたくなったら洒落にならないからなぁ、僕の綾火ちゃんが悲しむのは見たくないな」 「別にあなたの所有物じゃあないわよ?」 「そんな口聞いていいのか?じゃあこの話はなかったことで」  鴨宮が冷製スープみたいな感じで言った。 両親の離婚で借金地獄、死にたいけどさ?自殺したらパトロールされちゃうからやめとくよ。    
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