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スマホを忘れたときから全てははじまった
2017・3・7
待ちに待ったこの日がやってきた。
名古屋駅から地下鉄東山線に乗り、伏見駅で地下鉄鶴舞線に乗り換えて大須観音駅で降りた。
栄駅から地下鉄名城線に乗り、上前津駅で降りる方法もある。
大須に着くと雨が降りだした。
最悪なことにスマホを家に忘れてしまった!
クソッ!何とかって店で綾火ちゃんと待ち合わせたんだけどな?なんだったっけ?
電話番号もメモしてないからわからないや!
コーヒー屋さんだったな?
ドトールじゃないし、スターバックスでもないし。スマホのルート案内がないとマジで不便だ。
大須はからくり人形が有名らしい。
大須観音の境内には『宗春爛漫』って名の人形がある。派手な衣装を来た武者人形が現れた。
「あの人形はなんですか?」
小太りな通行人に尋ねた。頭皮が薄く河童みたいだ。《頭皮が薄くて逃避行》
細かいことが気になる僕の悪い癖。
相棒の右京さんじゃないけどさ?
「あれは徳川宗春だよ」
「清水宗治と関係は?」
「あるわけないだろ?清水宗治は毛利の武将だ。高松城水攻めのとき、切腹をして主君を助けたんだ」
観客が演目を決めることができ、『唐子』か『浦島』を選べる。
「若宮大通りにも面白いのがあるよ」
コーヒー屋について尋ねたが首を傾げた。
珈琲館?コメダ珈琲?違うな。
これじゃ大須なんかに来た意味ねーじゃん!
名古屋に戻って城でも見ようかな?
名古屋コーチン食いてー!
工賃払えや!畜生!あのバカな印刷会社のせいで人生メチャクチャだ!燃やしてやりてー!
でも燃やしたら金田一みたいなワールドにいっちまう!人殺しはいけません!
「死ねよ!スマホ!」
「あ!?俺はスマホじゃねぇ」
小太りオッサンが笑ってる。
「うん、どーみてもスマートじゃないよね?」
「君、漫才やってみない?」
「会っていきなりなんなん?」
「難なん?そーか、やっぱり難しいか?」
変なもんでも売りつけられたらかなわん!
観音様をあとにした。
リトルホンコンってカフェに入ってみた。
ここだっかも知れない。
店内は異国情緒に溢れている。
「お兄さんカックイー!うちはチャンポン麺がうまいよ~、麻雀やる?あっ、それはチーポンだったな?大須は、大好き?」
ジャッキー・チェンに似た店員が軽いテンションで話しかけてくる。
「ここってオーガニックの綾火ちゃん来ます?」
「あんたね?綾火ちゃんのストーカーって」
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