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大晦日だよ全員集合
今日は大晦日。欲望の薄い本が売られたり除夜の鐘を108回以上叩いたり年越しそばだとか言って大量にそばを売り捌くあの日である。
だが……除夜の鐘を突きに行った話は全カットである。本題では無いからね。それに4人で行く予定だったのに2人来なかったし。
さて。
今俺は近くの神社から家へと帰る途中なのですがーー隣をご覧下さい、美少女です。
長くサラサラの黒髪をそのまま伸ばし凛々しいオーラを放っている彼女はなんと幼馴染である。胸はそのちょっと小さめ、いや慎ましい、慎ましいのです。
……2人来なかったのは良かったかもしれん、彼女との2人きりのイベントになったのだから! いやまあ来なかった2人も女なんですけどね!
しかし今の彼女はいつもの凛々しいオーラが5割減、目も3分の1程度しか開いていない。それもそうだ、彼女は成績優秀運動神経抜群の優等生であるうえ学校外もキッチリしている。
今関連性のある事と言えば例えば『夜9時には寝る』だとか。だが、よく勉強が長引いて寝る時間が遅くなるらしい……何故そこまで勉強に打ち込めるのか。
まあ、そんな9時寝の優等生をこのまま歩かせていると側溝にでも足がハマりかねないので神社を出た辺りから手を繋いでいるのだが、今までに8回程電柱看板などなどにぶつかりかけている。
これ本当に俺がとは言わないが誰か付いてないと車にでも轢かれるのでは無いだろうか、そんな想像が頭をよぎる。というか俺も眠い。
眠い人間が寝かけている人間を引いて歩いているなど危な過ぎる。そのため早く彼女をどうにかしたいのだが、彼女の家は俺の家から少し遠い。そこまで送るとなると今度は俺が家に帰れない。
さてどうしたものか。
ーーーーいや、1つ案はあるんですよ? その、ちょっと相手がどう思うか分からない案だけど。最悪俺が死ぬだけ。うん。
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