第4章

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彼女に傾きたがる心を紛らすように、話を本題に戻す。 そもそも、彼女が悩んでいるのではと気になって無理して抜け出したんだから。 「で、先輩が言い過ぎたというのは?」 「篠田君には直接関係ないの。 話が逸れた後に揉めたから」 「どんな話題?」 「私みたいにはなりたくないとか…。まあそんなこと」 たぶんここが彼女が抱える問題の発端なのに、彼女はなかなか口を割ろうとしない。 「その程度で?」 そこで軽く挑発すると、やはりマグマは煮えたぎっていたようで、案の定、彼女は簡単に爆発した。 「その程度って!仕事にしがみつく年寄り亀とまで言われたのよ」 笑い事じゃないが思わず吹き出した。 実は痛い所を突くお笑い芸人級の小椋発言にも、それにカッカする先輩にも。 小椋と先輩は案外いいコンビなのではと思う。 「地雷ですか? どのワードかは言いませんが。 あれ、可愛いじゃないですか」 「笑わないでよ!バカにして」 完全にむくれ返った彼女は小さな子供みたいに頬を膨らませた。
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