第6章

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悪夢のような週末のあと、週明けの会社では普段通りの日常が始まった。 関係を持つ前と何ら変わらない距離感、絡むことのない視線。 改めて思うのは、何かを失ったのではなく、元々何も変わっていなかったということ。 だけど俺の中では何かが抉り取られたような巨大な空洞ができていた。 あの後、俺はずいぶん長い間リビングで座っていた。 雨で濡れたシャツが肌に張り付き、そのせいで湿った皮張りのソファの不快な冷たさが身体の芯まで染み込んできたけれど、目の前にあるエアコンのリモコンに手を伸ばすことすらせず、ただ白い壁面をぼんやりと眺めていた。 いつのまにか激しくなった雨風が窓に打ち付ける音で、ようやく顔を窓に向ける。 彼女は大丈夫だろうか? 手に持ったままだった車のキーを握りしめて衝動的に立ち上がった俺は、すぐに苦笑してキーを床に放り投げた。 「…だから要らないんだって」 それからはがむしゃらに仕事に取りかかり、それが済んでしまうと浴びるほど酒を飲み続けた。 眠りたくてアルコールを流し込むのに、大量のアルコールは身体のどこに消えたのかまったく酔えず、深い眠りもやってこなかった。
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