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「中野君、ウザすぎ!
この間も篠田君にくっついてさ」
「それお前だろ」
「絡み酒ひどいしさ!元カノが婚約したからってグジグジして」
「んなことペラペラ喋らんでも!
先輩の前でかっこわりーだろ」
「自分もあちこちで喋って歩いてるじゃん」
「お前ら、うるさい」
先輩の前ではできるだけ存在感を消そうと思っていたのに、中野と小椋のあまりにエンドレスな口喧嘩にうんざりして、つい口を挟んでしまった。
「…あ。先輩のお酒、綺麗な色っすね!なんてヤツですか?」
ちょうどタイミング良く先輩のオーダーが届いて、何かと先輩に絡みたい中野が興味深げに食いついた。
先輩が頼んだのは、俺が勧めたあの酒。
何か意味があるのかなんて、つい浮かんだ未練がましい考えを打ち消していると、ふと腕が重くなった。
見ると、一体誰に何のアピールなのか、小椋が俺の肘に馴れ馴れしく手をかけていた。
さりげなく避けてそれを外そうとするけど、なかなかしぶとい。
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